経年変化図の見方に関するFAQ

Q

突然、空間放射線量率が一時的に高くなるのはどうしてですか?

A

1986年にチェルノブイリ原子力発電所事故の影響により一時的に増加しました。

解説この図は、日本各地の雨水・ちり(降下物)中に含まれるCs-137が1km2あたり1ヶ月間に降下した量の変化を表しています。 1981年以降大気圏内核実験が停止されたため、Cs-137の月間降下量は減少していました。 しかし、1986年にチェルノブイリ原子力発電所事故の影響により一時的に増加しました。 それ以降、Cs-137の月間降下量は、1970年代の1/20程度のレベルで推移していましたが、2011年3月以降、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響とみられるCs-137濃度の増加が観測されました。

全国における降下物のCs-137の経年変化

Q

全ベータ放射能の値が、1977年(昭和52年)頃を境に大きく異なっているのはなぜですか?

A

1976年以前は試料に含まれる自然放射能であるカリウム40の寄与を計算によって差し引いていましたが、1976年に「全ベータ放射能測定法」が改訂されて自然放射能の寄与も含めて表示することになったため、全ベータ放射能の値が大きく変化しました。

解説この図は、1973年度から1982年度までの北海道における生乳中の全ベータ放射能濃度の変化を表しています。1976年の「全ベータ放射能測定法」の改訂で、全ベータ放射能濃度の表示の仕方が変更になり、この頃から図のように値が大きく表示されるようになりました。

北海道における牛乳の全ベータの経年変化