日本の環境放射能と放射線

基礎知識を学ぶ


Q&A[基礎編]
 
Q5 雨水は日常食のストロンチウム90やセシウム137はどうすれば測れるの?
Q5 雨水は日常食のストロンチウム90やセシウム137はどうすれば測れるの?
ほとんどの放射性物質は壊変したときにガンマ線を放出します。ガンマ線は単一のエネルギーを持っていて、それぞれの物質から放出されるエネルギーは、 決まっているので、ガンマ線を測れば、雨水や日常食に含まれる放射性物質が何であるか、また、どの程度含まれるかを知ることができます。 しかし、ストロンチウム90 の壊変では、ガンマ線がまったく放出されないで、ベータ線のみが放出されます。ベータ線はガンマ線と違って、単一のエネルギーではなく、 連続したエネルギーを持っているため、どの放射性物質から放出されているかを決めることはできません。このため、雨水については水分を蒸発して、日常食については 加熱し灰にして、容量を小さくしたのち、塩酸などの試薬を使ってストロンチウムだけに分離する必要があります。 ストロンチウムだけになった後に、ストロンチウム90 のベータ線(実際には、ストロンチウム90 の壊変生成物であるイットリウム90 のベータ線のエネルギーの方が大きいため、このベータ線を測定しています。) を、GM 計数管を備えたベータ線測定装置で測ると、どの程度含まれるかがわかります。セシウム137 は壊変すると、ガンマ線とベータ線を放出します。雨水や日常食の容量を小さくしたのち、 ゲルマニウム半導体検出器を備えたガンマ線測定装置で、セシウム137 から放出されるガンマ線(エネルギーは661.6keV:キロエレクトロンボルト)を測ると、どの程度含まれるかがわかります。 また、ストロンチウム90 と同じく、容量を小さくしたのち、セシウムだけに分離し、そのベータ線を測ることで、どの程度含まれるかがわかります。 この方法はガンマ線を測る場合に比べると、より低いところまで、どの程度含まれるかがわかります。 どの程度含まれるかを、放射能濃度として示しています。その単位は、分数の分子に1 秒あたりに崩壊する原子核の数(Bq[ベクレル]で表します。)を、分母に雨水の場合は面積当たりで採取しているのでkm2 を、 日常食の場合は一人分の一日あたりを意味する人×日を用いています。
GM計数管を備えたベータ線測定装置 ゲルマニウム半導体検出器を備えたガンマ線測定装置