日本の環境放射能と放射線

基礎知識を学ぶ


Q&A[基礎編]
 
Q4 1980年まで行われていた大気圏内核実験で生成したストロンチウム90やセシウム137が、現在でも一般の環境に残っているのは、なぜ?
Q4 1980年まで行われていた大気圏内核実験で生成したストロンチウム90やセシウム137が、現在でも一般の環境に残っているのは、なぜ?
大気圏内核実験ではウランやプルトニウムが核分裂して、多くの人工放射性物質が生成しています。そのなかでも、質量数(陽子と中性子の数を合わせた数)が 90 付近と140 付近の放射性物質が多く生成しています。まさしく、これらの質量数に相当するのが、ストロンチウム90(この90 は質量数を表しています。)とセシウム137 です。 ウランやプルトニウムが核分裂して、ストロンチウム90 やセシウム137 などが生成する割合を、核分裂収率と呼んでいます。ウランやプルトニウムが核分裂した時のストロンチウム90 やセシウム137 の核分裂収率は高く、 例えばウランの核分裂では、それぞれ5.9%、6.2%です。また、最後の大気圏内核実験は1980 年ですが、それから現在まで経過した年数は二十数年であり、ストロンチウム90 とセシウム137 の半減期は、それぞれ29 年、 30 年なので、まだ半分程度は残っていることになります。このため、現在も一般の環境である雨水、土壌や飲食物にストロンチウム90 とセシウム137 が残っています。 その一例として、日常食(我々が毎日食している朝、昼、晩の三食のことを意味しています。)の経年変化を下図に示します。1980 年までは大気圏内核実験の影響が見られます。 また、1986 年4 月に発生した旧ソ連のチェルノブイル原子力発電所の事故の影響が、1986 年度と1987 年度に見られます。 しかし、ストロンチウム90 やセシウム137 からの線量は、自然放射線や医療などの人工放射線による線量に比べ、わずかです。
日常食中のスtprpンチウム90及びセシウム137濃度の経年変化