日本の環境放射能と放射線

基礎知識を学ぶ


Q&A[基礎編]
 
Q1 放射線って、放射能って、何?
Q1 放射線って、放射能って、何?
身の回りのものは、すべて原子からなっています。例えば、我々が吸っている酸素は、酸素の原子2個が、結合してできています。 原子そのものは、原子核とその周りを回っている負の電荷を持つ電子からなっています。原子核は正の電荷を持つ陽子と電荷を持たない中性子からなっています。 陽子の数が原子番号を表しています。酸素は原子番号8 ですので、酸素の原子核には陽子が8 個あります。 酸素原子の中性子の数は、ほとんどが8 個ですが、9 個や10 個のものもあります。このように、陽子の数つまり原子番号が同じで、中性子の数が異なる核種を同位体と 呼んでいます。核種とは、陽子と中性子の数により決まる原子核の種類を意味しています。 原子核は陽子と中性子の数によって安定かどうかが決まってきます。陽子の数が20 までの原子核は、陽子と中性子の数がほぼ等しい時が最も安定です。 これより陽子の数が増えると、陽子の間で反発力が増えてきます。中性子は反発力を増やすことなく引力を増します。 よって、陽子の数が20 より多くなると、中性子の数が徐々に増え、つまり、中性子と陽子の数の比が1 より徐々に増え、原子核は安定となります。 原子核がさらに大きくなると、陽子の間の反発力はさらに増え、引力が陽子を結びつけておくことができなくなります。 この時、原子核が壊れ、ヘリウムの原子核(陽子2個、中性子2 個)が放出されます。 例えば、ウラン238(陽子92 個、中性子146 個)は、ヘリウムの原子核(陽子2 個、中性子2 個)を放出してトリウム234(陽子90 個、中性子144 個)となります。 この時放出されるヘリウムの原子核をアルファ粒子と呼びます。また、このような壊変をアルファ壊変と呼びます。 一方、中性子と陽子の比が大きくなりすぎても原子核は不安定となります。 例えば、ウランやプルトニウムの大気圏内核実験などで人工的に作られたセシウム137(陽子55 個、中性子82 個)は、安定なセシウムの原子核であるセシウム133(陽子55 個、 中性子78 個)に比べて、中性子が多くなりすぎているため、セシウム137 の原子核の中性子1 個が、電子を放出して陽子となります。原子核の陽子は1 個増えるため、原子番号56 のバリウムに変わります。 このバリウム137 は、安定な原子核です。このような壊変をベータ壊変と呼んでいます。セシウム137 からバリウム137 に壊変する時、直接安定なバリウム137 の原子核になる場合もありますが、 一度準安定なバリウム137(バリウム137mとして区別しています。)になり、その後バリウム137mからバリウム137 となります。この時、非常に短い波長の電磁波が放出されます。 上記において放出されるアルファ粒子をアルファ線、電子をベータ線、電磁波をガンマ線と呼び、これらをまとめて放射線と呼んでいます。放射能は、これらの放射線を放出する能力のことを意味しています。